Исповедь «неполноценного» человека / 人間失格. Книга для чтения на японском языке. Осаму Дадзай
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自分は毎月、新刊の少年雑誌を十冊以上も、とっていて、またその他《ほか》にも、さまざまの本を東京から取り寄せて黙って読んでいましたので、メチャラクチャラ博士[17]だの、また、ナンジャモンジャ博士[18]などとは、たいへんな馴染なじみで、また、怪談、講談、落語、江戸小咄こばなしなどの類にも、かなり通じていましたから、剽軽ひょうきんな事をまじめな顔をして言って、家の者たちを笑わせるのには事を欠きませんでした。
しかし、嗚呼[19]《ああ》、学校!
自分は、そこでは、尊敬されかけていたのです。尊敬されるという観念もまた、甚はなはだ自分を、おびえさせました。ほとんど完全に近く人をだまして、そうして、或るひとりの全知全能の者に見破られ、木っ葉みじんにやられて、死ぬる以上の赤恥をかかせられる、それが、「尊敬される」という状態の自分の定義でありました。人間をだまして、「尊敬され」ても、誰かひとりが知っている、そうして、人間たちも、やがて、そのひとりから教えられて、だまされた事に気づいた時、その時の人間たちの怒り、復讐は、いったい、まあ、どんなでしょうか。想像してさえ、身の毛がよだつ心地がするのです。
自分は、金持ちの家に生れたという事よりも、俗にいう「できる」事に依って、学校中の尊敬を得そうになりました。自分は、子供の頃から病弱で、よく一つき二つき、また一学年ちかくも寝込んで学校を休んだ事さえあったのですが、それでも、病み上りのからだで人力車に乗って学校へ行き、学年末の試験を受けてみると、クラスの誰よりも所謂「できて」いるようでした。からだ具合いのよい時でも、自分は、さっぱり勉強せず、学校へ行っても授業時間に漫画などを書き、休憩時間にはそれをクラスの者たちに説明して聞かせて、笑わせてやりました。また、綴り方には、滑稽噺[20]《こっけいばなし》ばかり書き、先生から注意されても、しかし、自分は、やめませんでした。先生は、実はこっそり自分のその滑稽噺を楽しみにしている事を自分は、知っていたからでした。或る日、自分は、れいに依って、自分が母に連れられて上京の途中の汽車で、おしっこを客車の通路にある痰壺《たんつぼ》にしてしまった失敗談(しかし、その上京の時に、自分は痰壺と知らずにしたのではありませんでした。子供の無邪気をてらって、わざと、そうしたのでした)を、ことさらに悲しそうな筆致で書いて提出し、先生は、きっと笑うという自信がありましたので、職員室に引き揚げて行く先生のあとを、そっとつけて行きましたら、先生は、教室を出るとすぐ、自分のその綴り方を、他のクラスの者たちの綴り方の中から選び出し、廊下を歩きながら読みはじめて、クスクス笑い、やがて職員室にはいって読み終えたのか、顔を真赤にして大声を挙げて笑い、他の先生に、さっそくそれを読ませているのを見とどけ、自分は、たいへん満足でした。
16
Иронично-уменьшительное название полового органа у мальчиков.
17
Персонаж из юношеского иллюстрированного журнала «Коккэй дайгаку» («Университет юмора») доктор Мэтяракутяра (сокр.: доктор Мэ), который отвечал на заковыристые вопросы читателей так же заковыристо и неординарно. Вопросам и ответам была выделена отдельная рубрика журнала, ставшая популярной среди читателей юношеского возраста. Журнал выходил 21 год (1920—1941).
18
Популярное приложение к ежемесячному журналу для родителей «Хаха-но томо» под названием «Нандзямондзя хакасэ» в виде детских книжек с картинками и манга. Забавные герои этого приложения и отдельных серий были популярны среди японских детей дошкольного и школьного возраста.
19
Устаревшая запись междометия, выражающего удивление или страх.
20
Коккэйбанаси – юмористические истории. Также известно обозначение особой категории развлекательных книг «коккэйбон» («забавные книжки»), выпускавшихся серийно в эпоху Эдо (1603—1868).