英雄たちの探求 . Морган Райс
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Читать онлайн книгу 英雄たちの探求 - Морган Райс страница 15
隣には、対照的な二番目息子がいる。嫡子としては長男であるが。23歳のガレス、やせて頬はこけ、大きな茶色の目は常に落ち着きなく動いている。兄とは、これ以上かけ離れることはないだろうというほど性格が異なる。ガレスの性格はすべてケンドリックならこうではない、というものだった。ケンドリックが率直なら、ガレスは自分の考えを出さないほうであった。兄が気高いのに対し、ガレスは不正直で人を騙すところがあった。マッギルにとって自分の息子を嫌うのは辛いことであったので、性格を直すようずいぶん努力した。しかし、10代のある時期から彼の性格は持って生まれたものとしてあきらめた。狡猾で、権力欲があり、悪い意味で野心があった。また、女性に興味がなく、彼には男性の恋人が大勢いることもマッギルは知っていた。他の王ならそのような息子は追放していたであろう。しかしマッギルは心の広い人であったので、このことは息子を嫌う理由にならなかった。このようなことでは人を判断しなかった。判断材料になったのは彼の悪意やはかりごとをする性格であり、これは見過ごすことができなかった。
ガレスの隣に並んでいるのは、二番目の娘、グウェンドリンである。16歳になったばかりで、マッギルが今までに見たなかで最も美しい少女だ。そしてその性格は外見をしのぐ。親切で、寛大、正直だ。彼が知る若い女性の中で最も素晴らしい娘である。そういう意味ではケンドリックと似ていた。彼女は父を慕う心でマッギルを見、彼はいつもグウェンドリンの忠実さを感じていた。息子たちよりも彼女のことを誇りに思っているくらいだった。
グウェンドリンの脇に立っているのはマッギルの末の息子、リースである。誇り高く、元気の良い少年だ。14歳で大人になり始めたところだ。マッギルは彼がリージョンに入隊したのをとても喜び、どんな大人になるか先が見えるようであった。いつかリースが最高の息子、そして偉大な為政者になることにマッギルは何の疑いも抱いていない。しかしそれは今ではない。彼はまだ若く、学ぶべきことも多い。
マッギルは目の前に立つこの4人の子どもたち、3人の息子と娘1人を見ながら、複雑な気持ちであった。誇り高い気持ちと失望が混ざっていた。また子どもたちのうち2人が欠けていることにも怒りと困惑を感じていた。一番上の娘ルアンダはもちろん自分の結婚式の準備がある。彼女は別の王国に嫁ぐのであるから、後継者を決めるこの話し合いには関係がない。しかしもう一人、真ん中の息子で18歳のゴドフリーがいなかった。マッギルはその冷たい態度に憤りで顔を真っ赤にした。
子どもの頃からゴドフリーは、王というものに対し敬意を表わさなかった。王位に興味がなく、国を治めるつもりがないのは明らかだった。マッギルを失望させたのは、ゴドフリーがごろつきと酒場に入り浸る日々を過ごし、王室の恥と不名誉になっていることだった。怠け者で、ほとんどの日を昼間も寝ているか、または酒を飲んでいるかして過ごしていた。マッギルは彼がこの場にいないことに安堵する一方で、我慢ならない侮辱だとも感じていた。実際、マッギルはこのような事態を予測し、家来たちに早くから酒場をくまなく探し、連れ戻すよう命じていた。マッギルは座ったまま黙って、家来たちが来るのを待った。