王の行進. Морган Райс

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王の行進 - Морган Райс 魔術師の環 第一巻

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「どうしてそんなことをするの?」ソアが聞いた。

      メレクは肩をすくめた。

      「僕の家族には食べるものがないんだ。食べないとならないだろう。僕は学校にも行っていないし、何の取り得もない。僕が知っているのは盗むことだけだ。それ以外これと言って何もない。盗むのはほとんど食べ物だけだ。何とか家族が生きていけるだけのもの。何年も逃げ切って来たけれど、捕まった。捕まるのはこれで3回目だ。3回目っていうのは最悪だね。」

      「どうして?」ソアが聞いた。

      メレクは黙っていた。そしてゆっくりと首を振った。彼の目に涙がたまるのを見た。「国王の法律は厳しいんだ。例外はない。3回罪を犯したら、手を切り取るんだ。」

      ソアは恐ろしくなった。そしてメレクの手を見た。まだそこにある。

      「まだ僕のところへは来ていない。」メレクは言った。「でも そのうち来る。」

      ソアはひどい気持ちになった。メレクは恥じているように目をそらした。ソアもそのことについて考えたくなかった。

      ソアは気が変になりそうで、頭を抱えた。考えを整理しようとした。この数日間は本当に目まぐるしかった。短い間にたくさんのことが起きた。達成感があり、正当性を証明できたような気持ちがしていた。未来が見え、マッギルの服毒を予見して、王を救うことができた。運命は恐らく変えることができるのだろう。宿命は変えられるのかも知れない。ソアは王を救ったという誇らしさを感じた。

      その一方で、自分は今こうして牢獄に入っている。自分の汚名をそそぐことができずにいる。希望や夢はすべて断たれた。リージョンにまた加わる可能性は消えた。ここで残りの人生を終えないで済むとしたら幸運と言えよう。まるで父親のように自分を迎え入れてくれ、自分にとって唯一の父であったマッギルが、彼を殺そうとしたのが自分だと思ったことに心が痛んだ。一番の親友リースが、自分が彼の父親を殺そうとしたと思うかも知れないのも辛かった。そして最悪なのがグウェンドリンのことだ。最後に会った時のことを思い起こした。自分が娼館に足繁く通っていたと彼女が信じるようになってしまったことを考え、自分の人生の良い部分が根こそぎ奪われたような気がした。なぜこんなことがすべて自分に起こるのだろうかと考えた。自分は良いことをしたかっただけなのに。

      ソアには、自分がこれからどうなるのかわからなかった。気にもならなかった。ただ自分の汚名を返上したいだけだ。王を傷つけようとなどしていないこと、彼の持つ力で未来が本当に見えたのだということを皆にわかってもらいたかった。先のことはわからなかったが、ここをどうにかして出なければならないことだけははっきりしていた。

      ソアがそんなことを考えているうちに、重いブーツで石の廊下をドシンドシンと歩く足音が聞こえた。鍵の音がし、その直後にがっしりした看守が現れた。ソアをここに連れてきて、顔にパンチを食らわせた男である。その顔を見るなりソアは初めて頬の痛みに気づき、嫌悪感を感じた。

      「さて、王様を殺そうとした小僧がいなかったら」看守が錠に入れた鉄の鍵を回し、にらみながら言う。カチリという音が何度か響いた後、看守は手を伸ばして監房の扉を引いた。片手に枷を持ち、腰には小さな斧を下げている。

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