王の行進. Морган Райс
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ガレスは、少なくとも自分の失敗の埋め合わせはした。未遂に終わった後、暗殺を中止し、今はほっとしていた。計画が失敗し、自分の中のどこか奥のほうで、本当は父を殺したくない、手を汚したくない、という気持ちがあることに気づいた。自分は王位にはつかない。王にはならないだろう。今夜の出来事を経て、そのことを受け止められた。少なくとも、自分は自由でいられる。秘密、裏工作、常に付きまとう、見つかることへの不安。こうしたストレスに対処することは自分にはもうできない。ガレスには重荷だった。
歩き続けているうちに夜も更け、やっと少しずつ落ち着いてきた。自分らしさを取り戻して、ちょうど休もうとしていたところに、突然衝突音がしたので振り返ると、扉が開くのが見えた。ファースが目を見開き、まるで追っ手が来るかのようにひどく取り乱して部屋に飛び込んで来た。
「死んだよ!」ファースが叫んだ。「死んだんだ!僕が殺した。死んだよ!」
ファースは半狂乱で声を上げて泣いていた。ガレスはファースが何を言っているのかわからなかった。酔っているのか?
ファースは叫び、泣きわめき、手を挙げて部屋中を走り回った。その時、ガレスはファースの手が血だらけなのに気づいた。黄色のチュニックにも血のしみが付いていた。
ガレスは心臓がドキッとした。ファースは人を殺してきたのだ。でも一体誰を?
「誰が死んだって?」ガレスは詰問した。「誰のことを言っているんだ?」
ファースは気が狂ったようになっていて、集中することができない。ガレスは走って近づくと、腕をつかみファースを揺さぶった。
「答えるんだ!」
ファースは目を開けて、野生の馬のような目をしてじっと見つめた。
「君の父上だよ!王様だ!僕の手で殺したよ!」
その言葉でガレスは自分の心臓がナイフで突かれたような気がした。
目を大きく開け、凍り付き、全身が萎えていくのを感じながら見つめ返した。握っていたこぶしを緩め、後ろに退いて、息を静めようとした。血を見て、ファースが本当のことを言っているのはわかった。どういうことか推測することさえできなかった。馬屋の少年のファースが? 自分の友達のうちで最も意志の弱い者が父を殺した?
「でも・・・どうしてそんなことができるんだ?」ガレスは息を呑んだ。「いつ?」
「王の部屋で」ファースが言う。「たった今、刺してきた。」
このニュースが現実味を帯び、ガレスは冷静になった。扉があいていることに気づき、走って行って衛兵が誰も見ていないことを確かめてからバタンと閉めた。幸い、回廊には誰もいなかった。ガレスは重い鉄のかんぬきをかけた。
急いでもとのところへ戻った。ファースはまだ興奮していて、落ち着かせなければならない。答えてもらう必要があった。
ガレスはファースの肩をつかんでこちらに向かせ、手の甲で叩いて止めさせた。ファースはやっと自分に注意を向けた。