王の行進. Морган Райс

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王の行進 - Морган Райс 魔術師の環 第一巻

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      ソアは、リースが名人芸ともいえる絶妙な通路の案内をしてくれるのになんとかついて行こうとしていた。隅々まで頭に入っているのは明らかだった。

      「こんなに曲がるのをどうやって全部覚えられるんだい?」ソアは敬服して聞いた。

      「子どもがこの城で成長していくのはさみしいものだ。」リースは続けた。「特にみんなが年上で、リージョンにもまだ小さくて入れないとなると、他に何もすることがない。ここの隅から隅まで知り尽くすことを目標にしたんだ。」

      二人はまた曲がり、石段を3段下った。壁の狭い抜け穴をくぐって曲がり、長い階段を下りた。やっと分厚い樫の扉までたどり着いた。ほこりをかぶっていた。リースは片耳を当てて聞き入った。ソアがそばに寄る。

      「このドアは何?」ソアが聞いた。

      「しーっ」リースが言った。

      ソアは黙って、自分の耳も扉に当てた。クローンはソアの背後で見上げている。

      「ここは父の部屋の裏口だ。」リースがささやいた。「誰が中にいるか知りたいんだ。」

      ソアは中のくぐもった声に聞き耳を立てた。心臓が鳴っている。

      「中は満員のようだ。」リースが言った。リースは振り返って、意味ありげな目付きをした。

      「君は猛烈な非難の嵐の中に入っていくことになるな。将軍たち、議員、顧問団、家族、みんなだ。全員が君のことを警戒していることは確かだ。暗殺者だと思われているからな。リンチを行おうとする群衆の中に入っていくようなものだ。もし父が、君が殺そうとしたと未だに思っているなら、君はおしまいだ。本当に入りたいか?」

      ソアは息を呑んだ。今行かなければ、もうチャンスはない。これが自分の人生の転機の一つだと思うと、喉の渇きを覚えた。今引き返して逃げるのは簡単だ。宮廷から遠く離れ、どこかで安泰な人生を送れるだろう。あるいは、この扉の向こうへ行き、残りの人生を牢獄で愚か者たちと暮らすことだってあり得る。そして処刑されることも。

      深呼吸をして、決心した。悪魔に真っ向から立ち向かわなければならない。後戻りはできない。

      ソアは頷いた。口を開くのも怖かった。そうすれば気が変わってしまうかも知れない。

      リースも同意した表情で頷き返した。そして鉄の取っ手を押し、扉に肩を押し当てた。

      ソアは扉が開いた時、まぶしいたいまつの光に目を細めた。王の部屋の真ん中に、クローンそしてリースとともに立っていた。

      床に伏している王の周りには、少なくとも12人の人間が詰めかけていた。王の上に立っている者、跪いている者。周囲を取り囲んでいるのは、顧問と将軍たち、アルゴン、王妃、ケンドリック、ゴドフリー、そしてグウェンドリンもいた。死を控えた、徹夜の看病だった。そしてソアはこの家族のプライベートな場に侵入しようとしていた。

      室内は陰鬱な雰囲気だった。皆、表情が重々しかった。マッギルは枕に支えられてベッドに横たわっていた。ソアは、王がまだ生きているのを見て安堵した。まだ今は。全員が一斉に顔を向け、ソアとリースが突然現れたことに驚いていた。石の壁の秘密の扉から部屋の真ん中にいきなり現れたのだから、どんなにか衝撃を受けただろうとソアは思った。

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