王の行進. Морган Райс
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「刃には印がないが、柄にあるんだよ!」ガレスが叫んだ。「下のところに!ちゃんと見なかったんだな。このばか者。」ガレスは顔を赤くして前に出た。「僕の馬の記章が下に彫られている。王家を知る者なら誰でもあの剣が僕のものだと突き止められる。」
ガレスは途方に暮れているファースを見つめた。彼を殺してしまいたかった。
「あれをどうした?」ガレスが詰め寄る。「まだ持っていると言ってくれ。持って帰ってきたと。頼む。」
ファースは息を呑んだ。
「注意して捨てたよ。誰にも見つからない。」
ガレスは顔をしかめた。
「どこだ?」
「石の落とし樋に捨てた。城の室内用便器の中だ。中身を毎時間川に捨てている。心配しないで。今頃は川の底だ。」
城の鐘が突然鳴った。ガレスは振り返って開いた窓へと走った。心が乱れている。外を見ると、下で起きている混乱や騒ぎが目に入った。群衆が城を取り囲んでいる。鐘が意味することはただ一つ。ファースは嘘をついていない。王を殺したのだ。
ガレスは全身が氷のように冷たくなるのを感じた。自分がそれほど大きな悪事を引き起こしたとは想像できなかった。そしてよりによってファースがそれをやってのけたとは。
突然、扉を叩く音がした。そして扉が開くと、衛兵が数人飛び込んで来た。一瞬、ガレスは自分たちが逮捕されるのだと思った。
だが驚いたことに、彼らは止まって直立不動の姿勢を取った。
「殿下、父君が刺されました。暗殺者はまだ捕まっていません。安全のため、部屋にいらして下さい。王は重傷を負っておられます。」
その最後の言葉にガレスのうなじの毛が逆立った。
「怪我を?」ガレスが繰り返した。のどにその言葉が突き刺さった。「ではまだ生きておられるのだな?」
「はい、殿下。神が王とともにおられます。生き延びて、この凶悪な行為が誰の仕業か知らせてくださるでしょう。」
短く敬礼をすると、衛兵は急いで部屋を出て行き、音を立てて扉を閉めた。
ガレスの怒りは頂点に達した。ファースの肩をつかんで部屋の中をひきずって行き、石の壁に叩き付けた。
ファースは恐れおののいて言葉を失い、目を見開いて見つめ返した。
「何をした?」ガレスが叫んだ。「もう二人ともおしまいだ
「でも・・・でも・・・」ファースはどもった。「・・・絶対死んだと思ったんだ!」
「何でも確かだと思うんだな。」ガレスは言った。「そしてそれが全部間違ってる!」
ガレスに考えが浮かんだ。
「あの短剣だ」ガレスが言った。「手遅れになる前に、あれを取り返すんだ。」
「でも捨ててしまったよ。」ファースが言う。「川に流れてったよ!」
「室内用便器に捨てたんだろ。それがすなわち川に行ったということにはならない。」 「たいていはそうなるよ!」ファースが言った。
ガレスはこの愚か者のへまにはもう我慢できなくなっていた。ファースの前を通り過ぎてドアから出て行った。ファースが跡を追う。