英雄たちの探求 . Морган Райс
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Читать онлайн книгу 英雄たちの探求 - Морган Райс страница 3
父は首を振った。
「お前は戦士じゃない。兄さんたちとは違うんだ。羊飼いだ。お前の人生はここにある。私と一緒にいるんだ。お前は自分の仕事をうまくやっていく。高望みをするものではない。自分の人生を受け止めて、それを好きになるよう努めなさい。」ソアは自分の人生が目の前で壊れていくのを見て、心臓が張り裂けそうな気がした。だめだ、彼は思った。こんな事あっていい訳がない。
「でもお父さん・・・」
「黙りなさい!」父は叫んだ。その声の鋭さに空気が緊迫した。
「もうたくさんだ。軍団が来る。お前はどきなさい。軍団がここにいる間、自分の行いには十分気をつけるんだ。」
父は一歩進み出ると、見たくもない物ででもあるかのように片手でソアを脇へ押しやった。父の肉付きのよい手がソアの胸を刺した。
ガラガラいう大きな音が沸き起こり、町の人々が家から出てきて道に並んだ。雲状のちりが軍団を先導する。やがて彼らが12台の馬車に乗り、雷鳴のような音を響かせながら到着した。
軍団は大きな集団で突然町に入り、ソアの家の近くに止まった。馬はそこに立ち、荒い鼻息で飛び跳ねていた。ほこりが鎮まるまでしばらくかかった。ソアはよろいや武器をのぞこうと躍起になった。シルバー騎士団をこれほど間近で見るのは初めてだった。心臓が鳴った。
先頭の雄馬に乗っていた軍人が、馬から下りる。ここにいるのは本物のシルバー騎士団のメンバーだ。光る鎖かたびらに包まれ、ベルトには長い剣、ロングソードを携えている。年は30代のように見える。顔には無精ひげ、頬に傷跡があり、鼻が戦闘で曲がった、生身の人間だ。ソアがこれまで見たなかで一番がっしりした男だった。体の幅は他の者の2倍はある。皆を指揮する立場だとわかる落ち着きを備えていた。
彼はほこりっぽい道路に飛び降りた。道端に並んでいる少年たちに近づく時、拍車が鳴った。
村の端から端まで、直立不動の姿勢で期待に胸を膨らませながら立つ少年たちでいっぱいだった。シルバー騎士団への入団は名誉、戦闘、名声、栄光の人生を意味する。土地、肩書、そして富も。それは最高の配偶者をめとり、最も良い土地を与えられ、栄光の人生を歩むことだ。家族にとって名誉となる。リージョンへの入隊はその第一歩だ。
ソアは大きな金色の馬車を観察し、大勢の入隊者を乗せられるのがわかった。王国は広大で、寄るべき町はいくらでもある。自分が選ばれるチャンスは思っていたよりも低いことがわかり、息をのむ。この少年たちに勝たなければならない。相当な強者揃いだ。それに自分の3人の兄たちもいる。気分が落ち込んでいった。
ソアは、軍人が候補者の列を見定めながら静かに歩いてくる時、息をすることもできなかった。彼は通りの向こうの端から始め、ゆっくりと回った。ソアはもちろん他の少年たちをすべて知っていた。家族が軍に送り込みたいと望んでいても、本人は選ばれたくないと密かに思っている少年が数人いることも。怖いのだ。そういう少年たちは良い兵士にはなれない。
ソアは屈辱感で熱くなった。自分は、他の者と同じくらい選ばれる価値があると思った。兄たちが自分よりも年上で体が大きく強い、というだけでは、自分が立ち上がって選ばれる権利がないということにはならないではないか。父への憎しみが膨れ上がり、軍人が近づいたときには、皮膚から飛び出しそうなくらいだった。